風穴。

2002年6月1日
心の中に穴が空いてる。
こういう事にはとことん不器用で
代用品で埋めることなんて出来ないから、
僕は他の欠片を拾い集めた。

必死で蓋をして、その先に続く道を進んだ。

ツギハギの蓋だったけれど、それでも前に進もうとした僕を通らせてくれて
僕はその道で「無」を手に入れた。

何も無い。
何も、感じない。
全ては壊れかけたビジョンに映る、情報の信号。

なのに時折、「忘れた」はずなのにいつの間にか蓋が外れて
風が吹き込んでくる。
冷たい冷たい風が、吹いてくる。

感じない心にそれでも吹いてくる風は、
その感触をこじ開けるように認識させる。

そこで、流れる映像に僕はもう一度目を瞑る。
そうして、目を閉じたまま、暗示をかけた自分に対面する。
結局は穴に落ちたままの自分に気付くと共に。

そう。
知っているから、知らない。
忘れられないから、忘れるのだ。

私を「人」に戻らせてくれるのは、貴方だけ。

壊せるのは、貴方だけ。

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